ココミテ東村山 2019年版&翻訳版
年に一度発行される「ココミテ東村山」もハチコク社が担当するようになって3年目となりました。まち歩きでこの地図を使ってくださっている方を見かけるとうれしい限り。
今回は通常版の更新に加え、英語版、中国語(簡体字、繁体字)版も登場。東村山のおすすめスポットを厳選しました。市役所や図書館などで全種類並んでるとカラフルで、なかなかかわいいです。
このまちにも文化的なプロジェクトが、軽やかに楽しく生まれるような場所があったらなぁ…と思いはじめて数年。2019年5月、とうとう私たちは東村山に拠点を構えることになりました。ここまでの道のりはリンジンさんが丁寧にまとめてくださっています。
拠点の名前は「百才(ももとせ)」といいます。ハチコク社の事務所を併設する平屋の母屋と2階建ての離れからなり、建物の年齢を合わせるとほぼ「百才」。刻々とまちの景色が変わっていくなかで、この残したい景色を次世代に引き継ぎ、たくさんの才(能)が集まる場所になればと名付けられました。
百才のコンセプトのひとつに「ひらく」があります。ただ制作するための仕事場で良いなら、もっと集中できて快適な場所があったでしょうが、ここに場をひらくことは、いつか叶うと良いなぁとぼんやり描いていた未来の夢へ一歩進むために、今でしかできないことだと思えたから。
一歩踏み出すのはそれなりに覚悟がいりますが、百才の場所がいろんな人にとって「一歩進んで、ひらく」ささやかなキッカケをくれる場所になったら良いなと思っています。
百才は、2019年5月のご縁びらきの会、6月の大改装、7月のグランドオープン、12月にお庭改修のためのクラウドファンディングと少しずつ成長を遂げています。クラウドファンディングでは目標金額を大きく超える148人223万円のご支援をいただきました。
ハチコク社はロゴマークや招待状、準備ノートなどのデザインを担当しています。
地元の屋根屋がやる「屋根展」や板金職人の技を伝える「和國商店」など、オリジナリティあふれるブランディングでいつもワクワクさせてくれるウチノ板金さんのパンフレット。
「僕が屋根を守る」という内野さんの誠意と誇りが込められた企業メッセージがまっすぐに伝わるようシンプルにデザインしました。
そういえば、「とりあえずやってみる」と始まった「屋根展」は、あれよあれよと開催10回を数え、広島や岐阜でも地元の屋根屋さんの手によって展開されることになったようです。
世界遺産・岐阜県の白川郷で引き継がれている日本古来の合掌造りを守る人々やストーリーをまとめた一冊。
インタビューや撮影、ライティングは日本ナショナルトラストと「かややね会議」の皆さんが中心に行われ、ハチコク社は編集とデザインを担当しました。
「結」と呼ばれる相互扶助によって茅葺き文化が守られてきた白川村。取材のタイミングで茅の葺き替えがあり訪れた白川郷は、日本人を探すのが難しいほどの外国人観光客で賑わっていました。日本を代表する大観光地になった今、そのなかで暮らしを維持することは並大抵のことではないように感じますが、かつて伝統的な文化が都市部に流出するなかで、自分たちの文化を守ることを決めた白川の人々の思いが今も変わらずあり続けることの重みを感じました。
2019年5月に開催された「国際茅葺き会議(International Thatching Society)」のゲストに向けて配布されたほか、白川村のホームページから購入可能です。
5年間に渡って発行された「るるぶ東村山」が、名前も新しく「むらのわ」として生まれ変わりました。
私たちが一番大事にしたのは、「東村山のひとのわ」を丁寧に伝えること。その「わ」を次の世代へつないでいくこと。
きっかけは、久米川東小の子どもたちから送られた「東村山すてき発見」特別授業の取材レポートでした。
そこには、きらきら光るまちのストーリーが混じりっ気なしに書かれていて、その原石のような描写が、やみくもに編集することばかり考えていた自分のあたまをガツン!と揺さぶりました。
東村山駅の高架化工事がはじまり、まちの風景がどんどん変化していくなか、今ここに当たり前にある、すてきなものをきちんと残したい。むやみに大きく見せるのではなく、なにげない日常に新鮮な発見があって、そのときめきがとびきり楽しいことを正直に届けたいと思いました。
「るるひが」の名物だった、東村山ラブな方たちに出演してもらう誌面作りは「むらのわ」でも引き継いで(笑)、今回は「味」のある店主や常連の方、買い物好きのママさん、小さな男の子と女の子、むらネコ(!)にいたるまで、100人ほどの顔が元気に映っています。
「むらのわ」はひとの「わ」を重ねていきます。何年か先にレイヤーのように積み重なったその「わ」を見て、ひとりでも多くのひとが、このまちを好きになるきっかけになってくれたら、とてもうれしいです。
東村山の観光PRポスターの第一弾。
「のめっこい」とは、東村山とその周辺地域の方言で「親しい、仲がよい」という意味があります。「東村山の魅力はなんだろう?」地域のワークショップで度々語られるこの質問で、よく聞かれるのは「住んでる人があったかい」だったりします。これは、いわゆる観光地でないまちの場合、どこでも同じことが言えるのかもしれませんが、少なくとも、それだけ自分のまちが好きな人がいるのだろうなぁと思っています。
ということで、総合編となる第一弾ポスターは、東村山の未来を担う子どもたちに協力してもらいました。撮影が行われたたくめがわ電車図書館は、ひがっしーもやってきて大騒ぎ。限られた時間のなかで頑張ってくれた子どもたちのお陰で愛らしいポスターになりました。このポスターは、所沢駅構内のデジタルサイネージでも表示されていました。
ちなみに、馬場さん力作のフラッグは、撮影後に東村山産業・観光案内コーナーで展示されることになりました。
新宿を起点に多摩に向かう沿線マップ。今年はJR中央線編と西武線編。沿線沿いの鳥瞰図と、周辺おすすめスポット、そして、実際に電車の窓から見える「アレなに?」なスポットが描かれています。
企画したは良いものの、ビジュアルに落とし込むまでがとにかく大変で…中央線を担当してくれたTKさんこと高仲さんと、元旦2日から一緒におせちを食べ、合宿しながらひたすら描いて描いて描いた2ヶ月間…試行錯誤、紆余曲折のなか完成した渾身のマップです。
沿線マップはweb版も公開中(制作:グッドライフ多摩)。景色が動くと電車感もアップして楽しいサイトになっていますので、そちらもぜひご覧ください。
東京多摩を楽しむ図鑑カード、2019年は自然編。前年の総合編から視点を下ろし、多摩の豊かな自然を歩いたり、サイクリングしたりしながら楽しめる15のコースを提案しています。登山ビギナーでも楽しみ方いろいろな高尾山、狼信仰が今も息づく御岳山、2000m級の雲取山…「山」カテゴリーひとつ取っても、どの切り口で紹介しようか迷うほど多様な顔を持っています。
前回よりさらに多くの多摩のクリエイターさん&多摩の自然のスペシャリストの皆さんにお力をいっぱいお借りして、素敵なカードが完成しました。多摩のステキなところを、多摩の人たちから発信する。デザインの地産を目指して当プロジェクトに取り組んで2年目となりました。お陰さまで周知も広がり、カードのデザインを特大ポスターにして国立駅構内にキャンペーン展開してくださったりと、多方面から反響をいただけるようになってきました。
その魅力を伝えるには多摩は果てしなく広く深く…まだまだチャレンジしていかねばです。
千葉を拠点とし、「誰もがありのままにその人らしく地域で暮らすことができるように」をコンセプトに、高齢者支援施設、子育て支援施設、障がい児者支援施設などを包括的に行っている社会福祉法人「風の村」。
すべての人の尊厳を守るという確固とした信念を持つこの場所には、特養も保育園も、近くにあったらどんなにいいだろう…と思える素晴らしい環境で、「社会のために自分に何ができるか」に真剣に向き合っている職員さんがたくさんいらっしゃいました。
これから社会に飛び込む新卒の皆さんに、数年後の自分をイメージしてもらえるように、風の村でいきいきとはたらく15人のストーリーを、寺島さんの瑞々しい写真の数々、やまさきさんの愛らしいイラスト、加藤優さんのやわらかなテキストで一冊に綴りました。酷暑といわれた2018年のあまりにも暑い夏の撮影も、今となっては良い想い出です。